
第1段階 (誕生から生後8〜12週ごろまで) |
誰に対しても同じような反応を示す。 |
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第2段階 (生後12週ごろ〜6ヶ月ごろまで) |
特定の相手に愛着を抱きはじめる。 |
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第3段階 (6ヶ月ごろ〜2、3歳ごろまで) |
特定の相手に愛着を持ち、常にその人と一緒に いたいという態度を示す。 |
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第4段階 (3歳ごろ〜) |
離れていても心の中に特定の人との絆が できてくる。 |
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※各段階の時期には個人差があります。
(エコチル調査 大阪ユニットセンターホームページより転用)
1.ニアネス(寄り添うこと)とディスタンス(距離を置くこと)
2.抽象性と具体性
この根幹となる理論を説明したいと思います。
「ニアネス」とは、子どもが保育士を必要としている時、保育士はその子に近づき、寄り添い安心感を与え、問題解決を図っていきます。
子どもは保育士の援助により安心し、安定することによって、生活や遊びにも主体的に活動する姿が見られます。
「ディスタンス」とは、子どもが保育士との“愛着の絆”を築き、保育園生活に安心感も持ち、機嫌よく一人遊びに熱中している時や、友だちやグループで遊びを進めている時、保育士は離れて見守っていることが望ましいとされています。
【5歳児/テーマ活動の場合】
C君は、テーマ活動の説明を全体の中で受けたが、自分は何をしてよいのかわからない様子だ。しかし周りはグループに分かれ、どんどんテーマ活動の準備をし、進めている。同じグループの子どもたちもC君に声をかける様子もない。保育士がそばに行ってC君に何に困っているかを聞き、グループの子にも声をかけ、C君の参加すべきことを見つける。安心したようにC君はグループの中に入る。保育士の援助により、C君は自分を見守ってくれる保育士が側にいることに安心し、グループに入ることができた。他の子どもたちもC君の存在を意識することで、仲間意識に繋がり、C君の今後の活動への参加意欲に繋がる。【1歳児/型はめパズルに挑戦】
型はめパズルをしているAちゃん。なかなか上手くはまらない場所があり、諦めそうになっている。そこで保育士が近づき、そっと手を持って回してあげると、上手く入った。自分で遊んでいるのだからと援助せず、諦めさせてしまうより、保育士が少し手助けをしてあげることにより、感覚的なヒントを与えてあげられた。「できた!」という1歳児なりの達成感を得られたことで、遊びに対して意欲的になり、次の発見に繋がる。【2歳児/保護者との朝の別れ】
M君が母親と離れる時に大泣きをしている。母親は時間も無く、気になりながらも出かけて行った。保育士が、一度抱きしめて落ち着かせてから今朝の状況を聞くと、「靴を自分で履きたかった・・・。」という理由だった。「偉かったね!でも、お母さんはきっと早くお仕事に行かなくちゃならなかったんだね。明日は自分で履くところを見てもらおうね!」とM君の気持ちに寄り添うように話し、気持ちを一度受け止め、母親の状況も話し、落ち着かせる。M君の気持ちを理解し共感することによって、自分を理解し寄り添ってくれる大人が側にいることに安心し、保育園が“安全基地”となる。【4歳児/保育室】
保育室はコーナー保育の環境が整っている。その中で、子どもたちはそれぞれコーナーに分かれて遊び、落ち着いている。保育士は室内の全体を見回し、ゆっくり観察しながら移動する。それぞれのコーナーを見ながら室内を回ることで、子どもたちの状況や遊びの様子を観察する。「大人は知らないことや経験したことがないことでも、レクチャーをうけることによって、知識として身につけることができます。大人になるまでの様々な経験を基にイメージすることもできます。しかし、子どもにはそれはとても難しいことで、実際に経験したことがないことに対しては、理解しにくく不安感を持ちます。また、時間の流れなど目に見えないものに対しても同じです。保育者はそのことを踏まえ、まずは「あっ、ぼく知ってる」「知ってるよ!」と、子どもの身近なものや、目で見て分かる具体的な遊びからスタートし、徐々に段階を追って理解を促し、子どもたちの知らないことや経験したことのない遊びへと導いていくことが必要です。このように段階的に進めていくことで、子ども自らの発見や気づきがあり、そこから深く掘り下げて考える力も育っていきます。この考え方で遊びを進めているのが、当研究会の研究テーマの根幹である「プロジェクト活動」です。
ここで一つ、どこの園でもありそうな事例を紹介します。
自分で遊びを選ぶことができる保育環境
個々の生活リズムの違い